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第1回
根を張った経営で、初心継続を

第2回
10人の経営、1000人の経営

第3回
危機こそ成長の好機

第4回
最終的にはやはり哲学

第5回
H.I.S.を世界的な旅行会社に

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(5/全5回) 2001.02.28

【第5回 H.I.S.を世界的な旅行会社に】
―― では最後に、H.I.S.グループの将来について教えてください。まず、エイチ・アイ・エス協立証券は、すぐに黒字に転換して非常に順調に見えますが……。

澤田秀雄 エイチ・アイ・エス協立証券に関しては私は非常に反省しています。確かにそれまで7年連続赤字だった会社が、私が引き受けて1年で10億円の利益を出しました。

 しかし何が反省かと言うと、急拡大させたことです。普通は30%くらい伸ばすのがいいと思うのです。しかし一気に10倍も拡大してしまったために、やはり成長について来れない部分ができてしまいました。特に管理体制がついてこれなくて、そこにスキが出てしまいました。

 コンピューターにしてもゆっくり選べばよかったのですが、急いで選んだために、システムにトラブルが起こったり、管理体制が甘くなったことで、そのあと非常につらい思いをしたというのが現実です。だから私としては、非常に反省しています。

―― 澤田代表ぐらいの経験があっても、焦ったり失敗することはあるのですね(笑)。

澤田 いや、焦るというより、自信がありましたから。一気に立て直そう、一気に利益を出そうとした。それで業績はたしかに上がりましたが、一方で問題も起きました。だから今回の反省点は、やはりバランスをちょっと崩したかなと思います。今はその反省点に注意して、次のステップの体制を準備しています。

―― あとスカイマークエアラインズは、羽田空港の発着枠が3往復から6往復認可となり、経営的には順調ということになるのでしょうか。

澤田 そうです、徐々にですね。パイロットの育成もすすみ、整備も徐々に自社化していますから、ずいぶん進歩したと思います。ですから1999年が、設備投資をあわせてですが42億円の赤字だったのが、前期(2000年)は30億弱の赤字に減りました。今期(2001年)はおそらく数億円の黒字になると思います。 

―― 旅行業のH.I.S.は、2000年10月期の経常利益は前期比のマイナスとなりましたが、しかし将来的にも順調に成長しそうな業界ですから、心配は少ないように思います。

澤田 そうですね、順調にいくと思います。2000年問題があったりして昨年は減益になりましたが、今年はまた増収、増益を達成できると思います。2001年10月期の経常利益は、前期比12%増の58億5千万円を見込んでいます。

―― グループ全体としては非常に順調にいっているということをふまえて、大きなまとめなのですが、するといちばん最初におっしゃった、澤田社長の「大きな目標」とはどんなところにおかれているのでしょうか。

澤田 今いちばん目標としてやろうとしていることは、もう一度基本に戻って旅行業に力を入れ、世界的な旅行会社にしようということです。

 そのためには、いま海外にある45店舗を100店舗以上にして、アメリカでもヨーロッパでもアジアでも勝ち抜けるような旅行会社にしたいと思います。

 もちろん国内では海外旅行ナンバーワンを目指します。目的指向とか年齢層にあわせたツアーを企画するなど、やらなくてはいけないことがたくさんありますから、当面ここに集中しようと思っています。

 将来的には、また金融にも挑戦してみたいと思います。海外旅行では、日本で1、2を争うようになって、世界でも有数になったときに、やはり金融は必要ですからね。

―― そうですね。歴史を振り返っても、英国のトーマス・クックしかり……。

澤田 米国のアメリカン・エキスプレスしかりですね。身近なことを言えば、海外に行った時H.I.S.のオフィスがあれば、チケットも情報もホテルもいろいろな手配ができて、そのうえお金も調達できたり、キャッシングもできたりすれば非常に便利ですから。

 ですからここ3年から5年は、旅行業を中心にやっていく。まず旅行の総合産業をつくりあげ、そして10年という単位では金融を組み合わせた情報産業にしたいと思っています。

―― 世界的な旅行会社をつくるという夢、目標。そのように自分を駆り立てる、根元的な原動力とはなんなのでしょうか。

澤田 一つは、やはり事業欲があると思います。H.I.S.を日本一の旅行会社、世界に通用する旅行会社にしたい。これは事業欲だと思うのです。この欲がなくなったら発展しないと思います。

 それからもう一つは、世の中のためになること、お客様に喜んでいただけるということが嬉しいのです。哲学的にも、ポリシー的にもですね。もともと私自身が大の旅行好きですから、旅行が好きな方に喜んでいただけるような仕事ができることが、とても嬉しいのです。
 その両輪が、原動力にあるような気がしますね。

(全文終了)

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